自分がツクールを始めて通算でそろそろ20年を過ぎようとしている。
こんな趣味で何かを求めているわけではない。だがそれでもツクラーである以上、ツクールで爪痕残せればと思っていたが、自分はそれまで、何一つそれを残せずにいた。
ツクール歴の大半を占めるVIPツクスレにおいてもだった。
そろそろ、そんな我が侭から卒業した方がいいと思い始めた頃に作ったものが、思いがけず当たってしまうとは、因果というのはそういうものかと思ったりする。
明るいゲーム選手権に出場し、久々に次も挑戦してみようと思って挑んだ作品。
この選手権で与えられたテーマが「ゴージャス」だったので、ここはもう変化球とか使わずにストレートな発想で「用意された莫大予算で魔王を倒せ」という命題のもと、最弱勇者が100万Gという予算を駆使して魔王討伐に挑む作品。
主人公のステータスを強化する、武器を強化する、強力な仲間を雇うなど、予算を様々に使って各所を魔王軍から解放し、最後は魔王を倒すという内容。ストーリーゲーばかり作っていた自分には珍しく、クリアすること一本に絞ったゲームとなった。
ツクールも慣れ親しんだ2000からMVへスイッチし、本格的に外向けの作品として始めたわけだが、当初企画したものは明らかに期限に間に合わない工数オーバーであることが発覚し、期間3分の1過ぎたあたりから急遽、この作品の制作に切り替えた。
ストーリー追従の中長編作でなく、純粋にゲーム性一本に絞り、その命題も複雑難解なシステムでなく、もう本当にタイトルの通りのシンプルな発想で作り上げたが、これが結局、評価に繋がったのかもしれない。（本当のところは知らんが）
お陰様で、本選手権の金賞を受賞するという栄光を掴むことができた。
思えばVIPRPGも原初は単純明快な内容から始まり、多くのツクラーの心を掴んでいったわけである。意識してはいなかったがその精神に回帰した結果だったと考えれば、長年VIPツクスレで過ごした時はけっして無駄ではなかったのではないだろうか。
賞を取ったという結果論とはいえ、これで失いかけていたツクラーとしての自信を取り戻せたのは確かである。その後、SNS不信に陥りこの後のこの選手権に参加することはできなくなってしまったが、下手すればVIPツクスレに埋没しかけた自分が今こうやってtktkを継続できるようになったのは、ひとえにこれのおかげである。
当時は言う機会を逸してしまったが、選手権の関係者の方々に改めて感謝したい。
→作品ページ
（長らくPLiCy公開オンリーでしたが、現物大好きVIPツクスレの方々向けにDL版もリリースしました。よければページからどうぞ）
