
祭り参加5作目。
ハー姉(HAPI)のナイ軍初参加作品(ハー姉自体は初登場ではない)であると同時に、負け続きナイ軍というお約束のターニングポイントとなるべくして作った、一切おふざけ無しの、初志貫徹シリアスな作品。
幸運や救済などというものはない。圧倒的なチート力を手にするわけでもない。そして、この戦いに勝てば幸せになれる保証もない。それでも彼らは自分たちの勝利のために宿敵に挑み続ける。おおよそ、「もしも」らしくない話なわけだが、この作品を境に、自分の作りたいもしもの世界というのが固まったのかもしれない。
この作品の動機として、何か流れを変えたかったというのがあった。
まず主役であるハー姉。本作より少し前にデビューしていたわけだが、当たり前のように魔王軍に入って、妹たちナス一家の資産食い潰すみたいなキャラになりつつあったので、似たようなキャラまた増やすのかと思っていた。
そこでもっと違うキャラにしてみようと考えて、手っ取り早く考えついたのが、敵方に置いて身内確執を交えた「らしくない展開」なのである。それでナイ軍に入れたのは自然な流れだった。丁度この当時のナイ軍は魔王軍との対決機運が薄れ始めていた頃。
彼女を投入することで、失いかけた流れを取り戻そうとしたのである。
それでその後、この結果どうなったかといえば、ナイ軍の状況については残念ながら変えられなかったのだが、ハー姉に関しては、後に他のツクラーの方々にこの設定で主役起用して頂いたこともあり、なんとか存在感を表せたんじゃないかと思う。
自分の投じた石が影響を与えたということになったのであれば、ひとまず試みは成功だったのではないだろうか。
後に続いてくれた他の作者様の作品は名作揃いだった。改めてここに感謝を示したい。